私語厳禁

昨晩は不安定な天候をものともせず ROOTER ROOTER にお越しいただいた皆さま、どうもありがとうございました。ドラム担当の秋田です。

とても印象的なイベントでした。 Cyber C-Lacanth 、Satoru、Carnival 2000、Reaper of Wonder、Newera、Illuminate City、融解建築の7連続公演は、たのしい発見の連続でした。世代もスタンスも、もちろん表現手法もばらばらなのですが、それぞれに伝えたいものを丹念に鋭利に磨き上げていて、総体としてとても濃密なイベントに仕上がっていました。打ち上げでもじっくりお話できたので忘れがたい夜になりました。

さて、二日連続のライブとあり、今回は京都に一泊しました。チェックアウトの後、時間にぽかんと隙間が生まれたので、何年かぶりに出町柳の名曲喫茶・柳月堂にお邪魔しました。

「私語厳禁・電子機器使用禁止」など、いまどき珍しいとも言えるし、未来を先取りしているとも言えるマゾヒスティックな仕組みを維持している柳月堂。ボールペンのノック音さえも躊躇われる緊張感のただ中に、高音質オーディオから再生される名曲名演が救済の蜘蛛の糸のように垂れ下がります。あらゆる体験が容易に寸断される現代の生活にあって(再生中止ボタンを押す心理的抵抗は10年前に比べて弱くなったのではないでしょうか?)、このような心地よい制限と緊張はとても貴重でしょう。

頑迷固陋に反現代的生活を貫いたという故グスタフ・レオンハルトによるフレスコバルディのチェンバロ曲集も、そんなことを漫ろに空想しながら楽しむにはぴったりのチョイスでした。

もう少し若いころは、こうした名演の完成度をもっと素朴に浅はかに受容していたものです。今聞くと、もちろん名演であることは昔以上に沁みるのですが、”天上の音楽” の形をそこねてしまわないよう神経質に繊細にふるえる一神教的潔癖がいっそう強く感じられ、一種 exotic な情趣としても味わわれました。

店を出た途端、これまた懐かしい(福井では滅多に見かけない)右翼街宣車がかまびすしい電子音楽(特に邦楽でも雅楽でもなんでもない)を流しながら川端通りを南下してゆくのに出会いました。これはこれで、一種 exotic な情趣があるものです。

本日16日は大阪は梅田 HARD RAIN (リンク先に地図があります)に、 9月に長野で行われるフェス「りんご音楽祭」のオーディションライブ RINGOOO A GO-GO でお邪魔します。尺が長くはとれませんが、ひとときでも時間を忘れられるような濃縮した演奏をお届けできれば演奏者として無上の幸せです。

*物騒なニュースが入ってきましたね。まずは無理に外出なさらないでくださいとのことですから、強いてお誘いすることはできません。事態が早く無事に収束することを祈っております。

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